2025年最新　Adobeフォントに追加された注目すべき日本語フォントたち

毎年恒例のアドビフォントへの新フォント追加が、今年も行われたようです。2025/2/13から開催されるAdobe MAX Japan 2025でも「新時代のバリアブルフォント」として「百千鳥 VF」の講演があるようです。今回の追加フォントの目玉はこの「百千鳥」とデザインシグナルさんということになりそうです。バリアブルフォントとは新時代のフォントと言われているもので、これまで幅やウェイトごとにフォントファイルがわかれていたものがひとつのファイルになるというものです。OpenTypeの進化版と言われています。詳細は後述します。

Adobe Fontsについて

最初におさらいです。Adobe FontsはCreative Cloudユーザーであれば全て使用することができます。フォントですので当然アドビ以外のアプリでも使用可能です。例えばCCは契約していないけれど、イラストアプリのクリスタでアドビフォントを使用したい場合にはFireflyやInCopyなど一番安いサブスク（680円/月）を契約するのがよさそうです。

今回追加されたフォント

百千鳥 VF | Momochidori Variable
- バリアブルフォントとは？
ADS あかり / ADS ありんこ全25種類
takumi書痙フォント
雫花明朝・雫花ゴシック全6種
手書き屋本舗全6種
FONT1000 全2種
日本書技研究所全9種

百千鳥 VF | Momochidori Variable

本題です。一番のトピックは「百千鳥 VF | Momochidori Variable」でしょう。2024年の4月には発表されていましたが、ようやく提供開始となりました。昭和の看板や喫茶店のメニュー、あるいは新聞広告などで見られた、定型の枠に文字を詰め込む手法にインスパイアされたというフォント。一見するとレトロ回帰のようですが、実際には複雑な構造のためリリースまでに大変な時間がかかったとのことです。アドビのプリンシパル・デザイナーの西塚涼子氏によるデザインです。

バリアブルフォントとは？

源ノ角ゴシックのようなフォントのことです、というのがデザイナーにとって一番ピンとくる表現かもしれません。ウェブデザイナーにお馴染みのGoogleフォントのNoto Sansと源ノ角ゴシックは実質同じものと言えます。バリアブルフォントはAdobe・Apple・Google・Microsoftが共同で作ったフォント規格で、グリフの数だけ大量のフォントを読み込むOpenTypeフォントの進化系ともいえるものです。OpenTypeフォントはMicrosoftとAdobeによる規格でしたので、参画企業の名前からも時代がDTPからウェブへの移り変わり、新たに生まれたウェブを前提としたフォントがバリアブルフォントである、ということが見えてきます。ファイル数が少なくなることは前述しましたが、それはあくまで副次的なことであり、ウェブ目線では「CSSから細かな設定が可能なフォント」と言えます。