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2025.06.042025.06.04
Web制作 システム
WordPressはメディアライブラリから簡単にファイルをアップロードすることができます。管理画面から簡単にファイルの操作ができるため非常に便利ですが、容量制限に引っかかってしまいファイルをアップロードできないとお客様からご相談いただくことがあります。今回はWordPressのファイルアップロード容量の制限について解説します。

WordPressの問題ではないことが多い
ファイルアップロードの容量制限はWordPressの設定ではなく、サーバー側の設定に依存していることがほとんどです。正確にはサーバ側の容量設定が上位に存在しており、WordPress側の容量設定はその範囲内でしか行えません。これについては記事の最後に言及します。
今回の対象はさくらインターネットやXserverなどの一般的なレンタル共有サーバーに設置されたWordPressです。小中規模サイトを前提としています。
現状の確認をする
まず現状の確認を行います。一番簡単な確認方法は「メディア」から「メディアファイルを追加」を選択することです。最大アップロードサイズが表示されます。サンプルとして100MBに設定してありますが、5MB程度に設定されていることも多いでしょう。

バージョン5.2以上であればサイトヘルスから設定を一覧できます。WordPressの「ツール」から「サイトヘルス」を選択します。「メディア処理」のタブを開くと「アップロードファイルの最大サイズ」の項目があります。

ファイルアップロード上限値の変更方法
本題です。サーバーの設定変更を伴うものばかりです。一番確実な方法はサーバー会社に問い合わせることです。共有サーバーであれば丁寧なサポートを受けることができます。自分で作業する場合の対応方法を紹介します。
php.ini ファイルを編集する
PHPの設定ファイルであるphp.iniファイルを編集します。
管理画面からの編集
一番簡単なサーバー管理画面から変更する方法です。さくらインターネットのレンタルサーバーの場合を例にします。ログイン後に「スクリプト設定」「php.ini設定」をクリックします。

php.iniファイルをGUIで編集できます。上限を100MBに変更したい場合は「upload_max_filesize = 100M」を追記して保存します。「post_max_size」も上げておきましょう。MBではなくMですので注意してください。
upload_max_filesize = 100M
post_max_size = 100M

WordPressに戻って確認すると「最大アップロードサイズ: 100 MB」になっているはずです。反映されていない場合はWordPressからログアウトして再度ログインしてください。
XSERVERでは左メニューの「PHP」内の「php.ini設定」から設定できます。

php.iniファイルを直接編集
php.iniはテキストファイルですので、直接編集することができます。コンソールからでもFTPクライアントからでも構いません。php.iniファイルの格納場所はサーバーによって異なります。
例えばさくらのサーバーであれば/home/ユーザー名/www の中に、Xservrであれば/サーバー名/xserver_php の中にphp.iniがあります。
格納場所がわからない場合はphpinfoを使います。テキストファイルに下記コードを入力し、ファイル名をphpinfo.phpに変更したものをサーバーに格納します。
<?php
phpinfo( );
?>
ブラウザから同ファイルを表示するとphpの設定情報が確認できます。Configuration Fileの項目にパスが表示されます。

.htaccessファイルを編集する
php.iniファイルを変更しても反映されない場合は.htaccessファイルを疑います。各種設定ファイルには優先順位があり、php.iniは極めて重要なファイルではあるものの、優先順位としては最弱となっています。つまりphp.iniが適切に設定変更できていても、.htaccessに下記のように記述されていた場合、こちらの設定が優先されます。
php_value upload_max_filesize 8M
php_value post_max_size 16M
php_value memory_limit 32M
実務ではよくあることですが、途中からサイト管理を担うことになったとき、最終的にどの設定ファイルの設定が反映されているかは全部調べていくしかありません。php.iniを変更しても設定が変わらない場合は.htaccessファイルを確認してみてください。
設定ファイルの優先順位は下記のとおりです。設定ファイルが存在しない場合もあります。
.htaccess > httpd.conf > .user.ini > php.ini
プラグインの使用は微妙
アップロード容量を変更するプラグインもありますが、サーバー設定の容量を上書きすることはできませんので特に使用する必要はないかと思います。
wp-config.phpファイルの編集は避ける
かつてはwp-config.phpにinit_set関数を使う手法がありましたが、現在は使用できません。
サーバーに直接アップロードする
今回の趣旨からは外れますが、FTPやSCPでファイルをアップロードする限りにおいては容量制限は受けません。
サーバー会社ごとの初期値
主要なレンタル共有サーバーのupload_max_filesizeの初期値をまとめます。Xserverは管理画面からのクイックインストールでもデフォルトで1GBとなります。逆に大きすぎて怖いので適宜調整しましょう。
さくらインターネット: 5MB
XSERVER: 1GB
CPI:2MB
GMO: 2MB
ロリポップ:2MB
WordPress側のアップロード容量設定
WordPress側でも容量制限の設定ができる状況があります。WordPressがマルチサイトで構築されている場合です。マルチサイト環境では設定画面からアップロード容量の設定が可能となります。
他者が構築したサイトの運営を引き継いだ場合などで、サーバー側の容量制限を変更してもWordPressに反映されない場合には、マルチサイトを使用しているかどうかを確認した方がよいかもしれません。
WordPressマルチサイトについて
WordPressにはひとつのWordPressで複数のウェブサイトを作成、運営する「マルチサイト」という仕組みがあります。それぞれのサイトを個別に管理でき、プラグインの更新などを一括して行えるというものです。
このマルチサイトで構築されたWordPress環境では「ネットワーク管理者」という新たな管理権限が与えられ、この状態でのみ「設定」に「サイトネットワーク設定」という項目が追加されます。ここからWordPressのアップロード容量設定を行えます。繰り返しになりますが、ここで設定できる容量はサーバー側で設定した最大サイズまでしか上げることができません。
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