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2020.04.16その他

最終更新日:2024年2月2日

コンピューターグラフィックス について

コンピューターグラフィックス について
:made by Blender

 

コンピューターグラフィックス の仕組み

コンピューターグラフィックス(CG)というと、最近では、主に、本物っぽく作られたリアル3D-CGという意味で使われる言葉になりましたが、今回のブログの内容はまず、もっと基本的な、コンピューター上でグラフィック表現をするための原理について からスタートします。

昔のPC-9800などのパソコンは、画面解像度が640 x 400pixelでしたが、このひとつひとつのピクセル(ドット)を白か黒かで塗り分けていけば、画面いっぱいに、モノクロの図形やイラストを描くことが出来ます。
画面の左上から右に、ピクセルを順番に見ていくと、「白白白白黒白黒白…..」等と640個並んで、次の列に行ってまた「白白白白黒黒黒黒白白….」と640個、次の列で….と、640行 x 400列並びます。
この時、640 x 400 pixelの画面に白黒の絵を描くためには、250,000ビット(32KB)のメモリ容量があればよいことになります。

このひとつひとつのピクセル毎に、R(赤)・G(緑)・B(青)の3原色用のメモリを用意して、加算合成して表示できれば、カラーによる表現が可能になります。

各ピクセルは、赤と緑と青のON・OFFの組み合わせによって、色が決定しています。
例えば「R:ON G:OFF B:OFF」ならば、ピクセルとしては赤になります。
同様に、「R:OFF G:ON B:OFF」ならば緑、「R:ON G:ON B:OFF」ならば黄色、すべてONなら白です。
※RGB表色系は合成すると白になります

 

RGBの色の組み合わせ
:RGBの組み合わせ

 

RGBそれぞれがON・OFFだけ選べる場合は、上の図のように、ピクセル毎に8色(2の3乗)表現できます。
さらに、R、G、Bをそれぞれで諧調が作れるようになれば、より多くの色が表現できるようになります。
例えばR、G、Bをそれぞれ256諧調選べれば、1670万色、通称24bitフルカラーが表現できます。
これにピクセル毎のアルファ値(透明度)を追加したものが、現在主流の32bitフルカラーの環境です。
Photoshop、GIMPなどといったビットマップ形式のグラフィックソフトは、いわば、こうしたピクセル毎の点々を操作するための専用ソフトという訳です。

 

グラフィック用パソコンの黎明期

PC-98当時から、お金持ちの人?はMacintoshを驚くような価格で購入していたみたいですが、貧乏な^^;我々がコンピューターグラフィックスを本格的に?やろうとすると、14インチぐらいのディスプレイ、486デスクトップパソコンの拡張スロットに、「フレームバッファ」と呼ばれるグラフィック専用の拡張カード(10万円ぐらいしました)を追加して、フルカラー(1670万色)対応にした上で、専用のグラフィックソフト(スーパータブロー、とか、彩子 とか)とペンタブレットで、640 x 400 pixelの小っちゃい画面に絵を描く必要がありました。

HyperFrame」と「レイトレーシング3Dソフト 麗子」で、大理石の床の上に数本の六角柱が立っているだけの小さな画像を計算させるのに、パソコンを3日間つけっぱなしにしていたのを懐かしく思い出します(HyperFrameは当然、借り物)。

 

FM-TOWINとAMIGA
:FM-TOWNSとAMIGA

 

FM-TOWNSやAMIGAなどの、そっち系に特化した個性的なパソコンもいろいろあって、出来栄えはともかくも非常に楽しかった印象があります。

まもなくWindowsが登場してからは、一気にカラーの色数が増え、画面解像度が増えて実用的になっていきました。
様々なメーカーから拡張用グラフィックボードが発売され、どこのボードが速いだの綺麗だのと、現在のゲーミングパソコンのグラフィックカード性能比較のような盛り上がりがあったりしたものです。

 

ハード&ソフトはどんどん高度化しているけど…

NASAのジェット推進研究所が発表した「ボイジャー1号の惑星探査シミュレーション」動画というのを見たことがあるかもしれません。
Google Earthっぽいフライトシミュレーションの動画です。

https://www.youtube.com/watch?time_continue=21&v=LqOiR4cSstM&feature=emb_logo
:6分頃に出てくるCG映像(一部)がそれ!

最近のNASAシミュレーション動画は高価なコンピュータを駆使した、非常に綺麗な動画になっていますが、一番最初の惑星シミュレーションは、コンピュータとディスプレイの前にカメラを置いて、1枚レンダリングしては撮影、を繰り返して作られたのだそうで、途中でカメラに触ってしまったりしてカメラが動いてしまったらやり直し…..だったのだそうです。

これを作成したJames F. Blinnという人は、3DCGの世界では大変有名な人なのですが、どうも技術的な進歩云々という以前に、とほうもない粘りと執念の塊のような感じがします。

何年か前のハリウッド版ゴジラのCG映像も、当時の資料によれば、皮膚のテクスチャー画像だけで数ギガあったそうですし、愉快で楽しいディズニーの3DCG映画も、DVD同梱のメイキング映像などを見ると、1カット作るのに何日かかっているのか、というぐらいの大変な労力の結果であることが分かります。作業量は増えているけど、ちっとも楽になってない(笑)。
CGは今なお、作る人の途方もない熱意が原動力なのでしょう。

 

コンピューターグラフィックスはどこへ行く?

かつてのパソコンの粗いドットのモノクロ画面や、16色カラー画面は、それでも、映画「エイリアン」の第1作めや、「スターウォーズ」第1作めに出てくる「がっびがび」の画面は、逆に融通の利かない無機質なコンピュータっぽさ?を強調しているようで、ちゃんと物語を活かしてくれているように感じます。

一方で、「アバター」や「ロード・オブ・リング」などの、お金を湯水のように使ったハリウッドCG映像には、観るものを圧倒するような迫力がありますし、他方、「メンフィス・ベル」や「フォレスト・ガンプ」に登場するようなシブい系のCGは、本物の記録映画のような自然さでストーリーをしっかり支えています。

現代のわれわれはあまりにCGに見慣れてしまっているせいか、作られた映像をCGだ、と少し否定的なニュアンスでとらえてしまうことが多いような気もしますが、その画像なり映像なりを作るために骨身を削ってヘトヘトになっているクリエイターの皆さんをリスペクトする気持ちだけは持っていたいですね。
いやあ、映画ってほんとにいいですね。
それではまた、お会いしましょう。

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